会社を辞めるきっかけになった本を改めて読んでみたのだが

退職
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読書が悪いとは言わないが、気をつけて読まないと非常に危険な行為であることに間違いはない。

歴史に「もし」という言葉はないのだが、15年前にもしあの本を読んでいなければ、当時、務めていた会社を辞めることはなかったかもしれない。

その本とは、「ハイ・コンセプト」ダニエル・ピンク著。

大前研一氏の翻訳が絶妙であることもあり、実質彼の著書と思っている。

弁理士受験が終わって、これからの目標を模索していた30代の当時、この本の一文一文が琴線を刺激したことを今でも覚えている。

受験時代にほとんど読書をしていなかったこともあり、この本が強烈に心を動かした。

なぜあの本にそんなに影響されたのだろうか、今でも人生の七不思議である。

その答えを求めて、最近、改めて読んでみたのだが、当時の悪魔の囁きを感じることはできなかった。

心のセンサが経年劣化したのか、それとも今となってはすでに当たり前のことが書かれているのか、おそらく両方だろう。

もしこの本にあのとき出会わなかったら会社を辞めることはなかったかもしれない、そんなことを思うことが一度や二度ではない。

あれから様々な本を読んでいるが、あのときのように心を動かされるような本に出会ったことはない。

読書が怖いのは、心の隙間に知らないうちに入り込み、知らないうちに思考が侵されていることだろう。

読書が悪いとは言わない、しかし無防備な読書は危険きわまりない。

ちょうど任侠映画を見たあとに歩き方が変わるように。

実務書を読まないわけには行かないが、自己啓発本は読む必要はないと思っている。

自己啓発本を読むより、実務を経験して失敗することの方がはるかに実りがある。

あれから10数年が経過し、良い経験も嫌な経験もしたこともあり、並大抵の自己啓発本では全く心が動かない。

この記事を書いた人
TANAKA Tomio

2004年弁理士登録
電機・電子・IT分野を得意とし国内・国外の権利化について豊富な経験と実績あり。
中国上海駐在経験を活かし中国実務についても豊富な経験あり。
知的財産調査官として特許を始め意匠・商標・著作権・不正競争防止に係る模倣品の輸入差止め審査に従事した経験を活かし模倣品対策についても積極的に取り組む。

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