静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

アイデア・デザイン・ブランドのこと

Informationからintelligenceに昇華させる知的労働が好き

InformationとIntelligence、 どちらも「情報」。 Informationを書いただけの特許発明なのか、 Informationのなかに隠された真の情報を捉えた特許発明なのか。 前者の情報の特許発明なのか、それとも後者の情報の特許発明なのか、 それは請求項の記載を見れ…

依頼者のために尽くすことが代理人の仕事、そしてそのために守秘義務があることは意外と知られていない

ビジネスの相手は価値観を共有できる人がいい、 価値観を共有できない人と一緒に仕事をしたくない、 誰もが思っていることです。 ところが代理人の場合はこれとは考え方が違います。 代理人のしごとは依頼者の要求を実現すること。 そうすると、なかにはとん…

権利者であることを証明できない著作権の譲渡契約書の書き方を説明します

「自分が著作権者である」 実は証明できないのです。 詐欺的に著作権者を語ること論外ですが、そうではなくても、 自分が創作した、と思っていたモノが、実は過去の記憶を再現したモノに過ぎない、 こういうケースは実は少なくありません。 全く新しいパイオ…

税関で知的財産権侵害を疑われたときに輸入者がやるべき自発的処理や通関開放について説明します

輸入貨物の通関検査で知的財産権の侵害の疑いがある貨物が発見されると「認定手続」という手続きが行われます。 商標・著作権・特許・意匠などの知的財産は、侵害かどうかの判断が大変難しいため、「認定手続」という特別な手続きで侵害かどうかを判断するこ…

個人使用目的で輸入するために提出する書類の書き方を説明します

個人で使うために買った偽ブランドは輸入できないのか? 答えはNO。 インターネットの発達により日本にいながら外国の製品が簡単に購入できるようになりました。 しかし、それに伴い知的財産侵害を理由とする税関のトラブルも増えています。 問題になるのが…

嫌われているJASRACがなくなって困るのは音楽教室であり権利者である

JASRACと音楽教室が利用料を巡って争っています。 またJASRACか、と忌み嫌う人もいます。 しかしJASRACが存在しなければ困るのは音楽教室であり権利者です。 【もしJASRACがなかったら】 著作物を利用する場合は予め権利者の許諾を得るという基本に基づいて…

杜撰な商標の使い方をしていると本人も偽物に気が付かなくなる

「クロネコマーク」が64年ぶりに変わりました。 この2つの「クロネコマーク」 区別できる人はどれくらいいるでしょう。 2つを並べているので区別できたとしても、 一つだけでは区別できないかもしれません。 下が新しい「クロネコマーク」、 すでに商標…

模倣は悪くない

知的財産権の尊重が浸透し模倣は悪いというイメージが定着しました。 模倣に替わって独自が評価されるようになりました。 さて模倣は本当に悪いことのか。 そんなことはありません。 模倣は先人の知恵を次世代に伝達するための手段です。 一から何かを編みだ…

著作権侵害で喜んでいる権利者もいる

良い殺人と悪い殺人はありません。 殺人は全て悪い、 だから殺人をしたら被害者が親告しなくても罰せられます。 著作権はどうでしょうか。 良い著作権侵害と悪い著作権侵害。 殺人と同じように著作権侵害は全て悪なのか。 コンテンツを創った人を守るのが著…

特許がないマーケットに進出するという選択

中国進出ブームが始まったとき、 大小含めてあらゆる企業が中国に進出しました。 15億人とも言われる巨大なマーケットに期待を込めて。 ところがその中国で競争に勝ち残っている企業がどれくらいあるのか。 ほとんどが撤退しています。 魅力的はマーケット…

海外から発送すれば商標権侵害にならないという逃げ道

Amazonのマーケットプレイス。 Amazon以外の出品者のことですが、 マーケットプレイスで海外出品者が多いのが気になります。 理由は知的財産権。 商標権や意匠権の網を上手にすり抜けています。 商標権や意匠権などの知的財産権、 権利の効力が及ぶのは国内…

偽物を「所有」するよりも本物を「利用」するサブスクリプション方式がこれからの偽物対策の鍵になる

「所有」から「利用」へ消費形態を変えているサブスクリプション方式。 「所有」する消費は、製品を売ることが目的です。 「利用」する消費は、製品を売ったあとの繋がりに特徴があります。 「所有」する消費は、製品それ自体の価値が評価の主体です。 製品…

商標のように使えるかもしれない欧州の意匠

欧州意匠の特徴は物品の運用です。 物品と外観デザインを一体として権利範囲を定めている、 これが日本の意匠制度。 欧州意匠制度は外観デザインのみで権利範囲を定めています。 日本で自動車のプラモデルを製造・販売した場合、 自動車の意匠権の侵害になら…

品質で差別化できなければ最後はブランドイメージしか残らない

模倣品がこれほどまでに氾濫した原因、 それは製造とブランドの分離です。 安い人件費を求めて自らの手で製造することを放棄し、 海外の委託工場で製造した製品に単に商標を付して売るというビジネスモデル。 商標は信用です。 これまで自らが長い時間をかけ…

アーティストやクリエイターが著作権調査をしてはいけない理由

アーティストやクリエイターが著作権の調査をしたら、 創作した全ての物が著作権侵害、 ということになりかねません。 著作権調査と似ているものに特許調査があります。 著作権調査と特許調査を比べると、 特許調査は、 必須で、かつ調査する仕組みが整って…

契約書は賞罰を含めた当事者間のビジネスルールを定めるもの

契約書は何のために必要なのかを考えたとき、 世の中に氾濫している雛形契約書は全く役に立ちません。 これらの雛形をみるとほぼ書いてあることが共通しています。 当たり前のことですが、 万人の取引に共通することだけを書いているからです。 契約書が必要…

契約違反だけでは済まないのが特許権を取得しておくメリット

取引を始めるときに交わすのが契約書。 でも契約書のことを真剣に考えている人がいない、 ということを日々の実務で感じています。 理由は一つ。 契約書を作ってもどうせ守られないから。 特に、相手が中国企業だと顕著です。 自身が嫌な経験をしたり、 メデ…

著作権と意匠権の二重取得をすすめる理由

創作すれば権利が発生すると言われている著作権。 正確には保護に値する「創作物」を創作すれば権利が発生する、 ということです。 自分が創作した創作物が、 保護に値する創作物なのか、 保護に値しない単なる創作物なのかは、 最終的には司法判断を待つま…

発明の模倣は自由、保護を求めるなら特許発明に昇華させる必要がある

世の中には2つの創作があります。 特許発明のように、 権利を取得する手続きをしないと保護されないもの。 著作物のように、 何ら手続きをしなくても保護されるもの、 この2つです。 同じ創作なのに、 なぜ発明は保護のための手続きを必要とするのか、 な…

中国に特許権がないのに業務提携するとどうなるか

中国企業からの業務提携の話があったとき、 慎重になって専門家に相談する人と、 すぐにでも取引を始めてしまいそうな人がいます。 私が関与できるのは相談をして頂いた人です。 でも職業がら、どうしてもリスクの話をしてしまいます。 なぜ業務提携先に選ば…

権利があることを証明できない著作権を信じて取引をすることの怖さ

「特許権がある」、 「意匠権がある」、 「商標権がある」、 と言ったときに、 相手から証明できますか?と問われれば、 登録原簿を提出することで相手の疑問に答えたことになります。 では「著作権がある」と言ったときに、 相手から証明できますか? と問…

日本にいると実感しにくい契約書の良さ

ビジネスに契約書は必要。 ところが日本で交わす契約はセレモニー的なところあって、 ビジネスを始めることが決まったあとで契約をしている、 というのが実態です。 なぜ、そんなことになるのか。 一つは日本人の同質性。 日本人の高い同質性は、 契約を交わ…

正規工場の横流し品は契約違反なのか、それとも知財権侵害なのか

エルメスの偽物が質屋で真贋鑑定できなかったというニュース、 私の経験から現在の偽物事情を書いてみることにします。 偽物というと粗悪品を想起する方がいます。 ところが現在の偽物は品質において正規品と変わるところはありません。 なぜ偽物と正規品と…

特許権・実用新案権・意匠権を取得する目的をはっきりさせる

特許の相談を始める前に、 特許を取得する理由を確認するようにしています。 企業の知財部から依頼がある場合は、 特許を取得する理由ははっきりしています。 それ以外の場合、 技術オリエントの企業も含めて特許を取得する、 このことが目的になっているこ…

機密情報がアップされている可能性が高い情報共有サイトをチェックしていますか?

自身が中国にいた頃に問題になったのが百度文庫。 この百度文庫には社外秘の情報が数多くアップされてれていました。 現地法人内の情報だけでなく、 日本本社内の情報もアップされていて大騒ぎになりました。 JETROからも共有サイトの対策マニュアルが出てい…

権利行使するだけが知的財産権を取得する理由ではない

特許権を始めとする知的財産権は取得するのが目的ではなく手段であるという話をしているのだが、いざ権利を取得しようとすると、どうしても特許が一番という特許原理主義から抜け出せないことが多い。 特許以外にも実用新案がありますと勧めても、実用新案は…

アイデアの売り込みが成功しない理由

特許を取得する目的が他社への売り込みであるなら、それは期待しない方がよい。 少なくとも日本では外部者のアイデアを受け入れるという実績に乏しいから、アイデアを売り込むなら海外企業を探した方がよい。 日本企業が外部者のアイデアの受け入れに消極的…

発明をブランディングするのが自分の役割

理系に進んだものの、自分は研究開発には向いていないと思った。 それでも技術が好き、新しいモノが好き、ということに変わりはなく、それを活かせる職業として弁理士を選んだ。 自ら研究開発をする才能はないけど、あたらしいアイデアに接することがとても…

会社内の創作物は法人著作として管理する

ノーベル賞をきっかけに職務発明が注目され、発明の対価や特許権の帰属についても企業側が注目するようになって久しい。 特許を受ける権利が使用者に譲渡され、使用者名義で特許出願が行われ、法人名義の特許権の管理をするというのは、実は管理という点から…

目で見える特許発明が一番強い

あるモノが特許権を侵害するかどうかを判断するとき、そのモノと特許権とを対比するのであるが、そのモノと特許権とを直接対比することはできない。 特許発明は特許請求の範囲に記載された文言で表現されているから、対比ができるように比較対象となるモノを…