静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

アイデア・デザイン・ブランドのこと

特許

特許がないマーケットに進出するという選択

中国進出ブームが始まったとき、 大小含めてあらゆる企業が中国に進出しました。 15億人とも言われる巨大なマーケットに期待を込めて。 ところがその中国で競争に勝ち残っている企業がどれくらいあるのか。 ほとんどが撤退しています。 魅力的はマーケット…

中国に特許権がないのに業務提携するとどうなるか

中国企業からの業務提携の話があったとき、 慎重になって専門家に相談する人と、 すぐにでも取引を始めてしまいそうな人がいます。 私が関与できるのは相談をして頂いた人です。 でも職業がら、どうしてもリスクの話をしてしまいます。 なぜ業務提携先に選ば…

特許権・実用新案権・意匠権を取得する目的をはっきりさせる

特許の相談を始める前に、 特許を取得する理由を確認するようにしています。 企業の知財部から依頼がある場合は、 特許を取得する理由ははっきりしています。 それ以外の場合、 技術オリエントの企業も含めて特許を取得する、 このことが目的になっているこ…

権利行使するだけが知的財産権を取得する理由ではない

特許権を始めとする知的財産権は取得するのが目的ではなく手段であるという話をしているのだが、いざ権利を取得しようとすると、どうしても特許が一番という特許原理主義から抜け出せないことが多い。 特許以外にも実用新案がありますと勧めても、実用新案は…

アイデアの売り込みが成功しない理由

特許を取得する目的が他社への売り込みであるなら、それは期待しない方がよい。 少なくとも日本では外部者のアイデアを受け入れるという実績に乏しいから、アイデアを売り込むなら海外企業を探した方がよい。 日本企業が外部者のアイデアの受け入れに消極的…

発明をブランディングするのが自分の役割

理系に進んだものの、自分は研究開発には向いていないと思った。 それでも技術が好き、新しいモノが好き、ということに変わりはなく、それを活かせる職業として弁理士を選んだ。 自ら研究開発をする才能はないけど、あたらしいアイデアに接することがとても…

目で見える特許発明が一番強い

あるモノが特許権を侵害するかどうかを判断するとき、そのモノと特許権とを対比するのであるが、そのモノと特許権とを直接対比することはできない。 特許発明は特許請求の範囲に記載された文言で表現されているから、対比ができるように比較対象となるモノを…

弁理士は非侵害の鑑定書を書くこともできるし、侵害の鑑定書を書くこともできる

初めて鑑定書を書くことになったとき指導弁理士から言われたことは御用鑑定にならないようにということだった。 出願明細書ばかり書いていたころ「鑑定書」に対しては一種の憧れ的なものもあって、鑑定書を書くことができる、となったときはとても嬉しかった…

特許の相談で意匠を提案するのはエベレストを征服したい人に富士山を提案するようなもの

特許を取りたいという相談はあっても、意匠を取りたいという相談は初動においてほとんど経験したことがない。 世間では何か新しいモノを作った、という場合は特許であり、実用新案やまして意匠は傍系中の傍系なのである。 企業の知的財産部から依頼されるの…

技術情報の海外流出に常に加担しているのが弁理士である

技術情報の扱いについて規定している法律と言えば不正競争防止法が一般的なのだが、安全保障の観点から技術情報の流出を規制する外為法がある。 聞いたことがある人も多い法律だが、多くの人はモノの輸出を規制するだけと思っているのでは無いだろうか。 実…

弁護士以外の士業はすでに専門特化されている

専門を特化することが最近の士業のマーケティングらしい。 何でもできる○○士よりも、助成金専門社労士や、相続専門行政書士を謳った専門○○士の方が一目置かれるようだ。 それなら弁理士も○○に特化した方がよいのかと思ったのだが、よくよく考えてみると、日…

強い特許とは、どのような特許なのか

弁理士受験をしていた頃、法律の解釈を巡って喧々囂々としていることに違和感を覚えた。 解釈が難しいなら立法者に聞けばよいのに、立法者が健在にも関わらずそれをせず、さらには立法者の解釈を無視して法解釈を議論しているのである。 解釈が分かれるなら…

発明者と権利者

私が発明者だからこの発明は自由に使える。 あなたに私の発明を自由に使わせてあげる。 特許法を知らない人が聞けば何ら不自然ではないこの会話。 この会話を聞いたときに、なぜ発明者には自由に実施する権利がないのだろうか、と考えてしまった。 特許法を…

良い明細書とは一体何だったのか

この仕事をしている人なら必ず聞いたことがあるクライアントや事務所からの要求が「良い明細書」。 5年や10年程度のキャリアであれば、よい明細書を書くために必要なものは経験、と言える。 しかし実際は15年、20年、25年とキャリアを積んでいって…

特許になるかどうかは属人的、制度が変わらない限りAIは無理

いい発明だから特許になる。 半分は正解で半分は不正解。 いまの特許制度は発明にかかわる人次第で、特許になったりならなかったりする。 発明にかかわる人とは、弁理士と審査官のこと。 弁理士は発明者が創作した発明を特許明細書に落とし込み、書類審査の…

弁理士はどのように技術を理解しているのか

新人のころ文系の特許技術者の指導を仰いだことがある。 語学が得意なその方は主に外国案件の中間処理を担当していたので、外国案件の指導を受けていたのだが、その方の仕事は理系がやる仕事と同じ内容だった。 なぜ文系なのに技術が理解できるのだろうと不…

意見書を見れば弁理士の実力がわかる

特許明細書を1000件書いて一人前と言われた新人のころ。 当時は3日で2件を書き上げるような事務所にいたので、10年とは言わないまでもそれ位の年月は必要かと思っていた。 実際のところ1000件まで行かなくても明細書を書くこと自体は500件で…

外国特許が必要なのは大企業だけ、は過去のはなし

この仕事を始めたころ、外国出願にはステータス的な意味合いがあり、外国出願を担当している、というだけで、凄いという目で見られたものだった。 1990年代、外国出願をしている企業と言えば日本を代表する名だたる企業ばかりで、出願先も欧米(当時はEU…

秘密特許制度が復活しても情報は簡単に公開される

日本語という言語の壁があって特許出願した内容が1年半後に公開されても英語文献のようなデメリットはない、ということを言う学者もいたが、ここ数年のGoogle翻訳の精度向上により、日本語の壁という恩恵を受けることは過去の話になってきた。 さらに数年前…