静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

商標を取得する理由は商品・サービスの値段を上げるため

商標には大きく3つの機能がある。

自他商品識別、品質保証、広告宣伝の3つがそれである。

しかし、このような遠回しなことを言ったところで、商標の魅力は伝わらない。

商標は取った方がいいのでしょうか?

商標を取らないと何か悪いことがありますか?

商標登録って高いですね、安くなりませんか?

これらの質問を良く受けるのだが、このような質問をする人は商標登録は不要と思っている訳で、商標を取らないことの言い訳を弁理士から聞き出したいのであり、そもそも不要な商標登録なのだから安ければ登録しよう、という考えなのである。

ここで考えて欲しいことは、商標を取得する目的は何かということ、商標を登録して何がしたいのか、ということ。

商標を使ってやるべきことはただ一つ。

自社商品・サービスの価格を上げること。

間違ってもらっては困るのが、「商標を登録すれば価格を上げることができる」のではなく、「商標を使えば価格を上げることができる」のである。

商標を登録すること自体はそれほど難しいことではない。

登録手続きの手数料体系が崩壊しているように、登録自体に価値はないのである。

商標は登録することが目的ではなく、登録した商標に価格競争力を持たせることが目的なのである。

商標は特許や意匠のような他の知的財産と違って半永久的に権利を維持することができる。

その理由は使い続けないと商標を使いこなせないから。

商標に価格競争力を持たせるためには商標にそれ相当の信用を蓄積させなければならないわけで、これは一朝一夕でできることではない。

価格競争力を持たせるために商標を使うのだから、安い商品に大事な商標を使うことはNGであり、大事な商標を使っている商品・サービスの価格を下げることはNGなのである。

トヨタが上級ブランドLEXUSを使い、セイコーが上級ブランドグランドセイコーを使う理由は、安くて品質が良いというイメージがある商標を使って高価格の商品・サービスを提供することはできないから。

欧米の商品・サービスが競争相手だった20世紀後半、価格を下げることが競争に勝つための方法であった。

アジアの商品・サービスが競争相手になった21世紀は、低価格化で競争に勝つことはできないことは百も承知なのであるが価格競争から脱出できずにいる。

国内で高価格化が難しいなら海外で高価格化を目指すのはどうだろう。

実際、100円ショップのダイソーも中国では300円相当の価格を付けているし、ユニクロや無印も日本よりも遥かに高い価格を付けている。

日本ブランドが評価されている今なら、そのような価格戦略を始めてもまだ間に合う。