海外投資家が国内証券を取引する場合のカストディ業務をブロックチェーンを使って効率化する

特許第6283719号

海外投資家が国内証券を取引する場合に増える決済関係者の各取引指示を効率よく確認するための発明です。

 

海外の投資家、証券会社等の非在住者が国内の証券の取引を行なう場合、銀行や証券会社が提供するカストディサービスを利用します。

しかし、カストディアン等を含め複数の当事者が関与するため、個別に取引内容の確認等に時間がかかり、迅速な取引が困難で、処理負担が大きくなります。

そこでブロックチェーンを使ってカストディ業務を効率化させるのが今回の発明です。

 

約定情報に係る一連のトランザクションを複数の仮想通貨を用いて取得するための取引識別情報を空きエリアに記録した複数の仮想通貨を用いて、各関係者システムで内容の確認や、この確認に基づく手続結果の登録を行ないます。

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【発明の構成】

投資家と海外証券会社との間で国内証券を取引対象とする取引が約定された場合
、投資管理システムが、約定情報及び、この約定情報に係る一連のトランザクションを複
数の仮想通貨を用いて取得するための取引識別情報を空きエリアに記録した仮想通貨を生
成して分散台帳に登録、
カストディアンシステムは、空きエリアに記録された取引識別情報に基づいて取
得した仮想通貨に記録された取引内容を確認し、取引対象の残高の確認情報及び取引識別
情報を空きエリアに記録した仮想通貨を新たに生成して分散台帳に登録、
海外証券会社システムは、空きエリアに記録された取引識別情報に基づいて取得
した仮想通貨に記録された取引内容を確認し、取引対象の残高の確認情報及び取引識別情
報を空きエリアに記録した仮想通貨を新たに生成して分散台帳に登録、
国内証券会社システムは、空きエリアに記録された取引識別情報に基づいて取得
した仮想通貨に記録された取引内容を確認し、取引対象の残高の確認情報及び取引識別情
報を空きエリアに記録した仮想通貨を新たに生成して分散台帳に登録、
証券保管システムは、国内証券会社システムが登録した仮想通貨を、空きエリア
に記録された取引識別情報に基づいて取得し、仮想通貨に記録された取引内容を確認し、
取引の決済を行ない、取引対象の振替完了情報及び取引識別情報を空きエリアに記録した
仮想通貨を新たに生成して分散台帳に登録。

 

【note】

複数の決済システムが仮想通貨に情報を書き込むときに、各約定で共通するIDを付与しておき、複数の仮想通貨に書き込まれた情報を参照するときは、IDを利用して一連のトランザクションを芋づる式に取得して確認するという仕組みです。

 

証券取引をブロックチェーンで行う場合において、各システムの具体的な処理を特定したことが発明です。

仮想通貨をアセットに使うことやカラードコインを使うことなど、各要素はそれぞれ公知の技術です。

 

証券取引というとコンマ数秒の激しい取引を行うのですが、そのような高速処理の世界でマイニングに時間がかかるブロックチェーンが耐えられるのだろうかと思いました。

 

実施例でカラードコインが気になって調べてみると、ビットコインベースで独自クーポンの発行ができます。

各事業者が独自クーポンを発行していますが、将来的にはカラードコインに置き換えることもできます。

個人レベルでも簡単にクーポンを発行できるので、インフルエンサーがクーポンを発行することもできるわけです。

カラードコインの活用に興味を持ちました。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄