静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

仮想通貨取引を顔認証と音声認証で行う

特許第6265456号

IDやパスワードといったテキスト情報ではなく、顔認証と音声認証で仮想通貨の取引を行う発明です。

 

仮想通貨取引の登録時に顔情報と音声情報を取得しています。

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仮想通貨の取引毎に顔認証と音声認証を行っています。

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【発明の構成】

 ユーザの横顔から正面顔までを連続して撮影された顔データを含む撮影データを取
得する、
 ユーザの有する公的身分証明書に含まれる証明写真に基づく証明写真データを記憶する、
 証明写真データ及び撮影データに撮影された顔が、同一人物か否かを判定する、
 判定の結果に基づき、ユーザの保有する仮想通貨の取引を制御する、
 撮影データは、ユーザの左横顔、正面顔、及び右横顔を連続して撮影された顔データと、顔データの撮影と同時に収音されたユーザの音声データと、を含む、
 判定の結果に基づき、音声データに対応する仮想通貨の取引を制御する。

 

【note】

仮想通貨の口座を開設するとき、免許証と顔撮影を行っています。

当初は顔認証のみで口座開設と取引を行う発明でしたが、先行技術を理由に音声認証も加えています。

口座開設のときに顔認証を行うことは現在行われていますが、取引のつど、顔認証を行うことまでは実現しておりません。

顔認証の精度が高くないため、認証失敗による取引機会の損失を考えると、顔認証を取引ごとに導入するには時期尚早です。

顔認証と行っても経年変化するし、体調によって顔の状態が異なることもあるという事情もあるでしょう。

空港のイミグレーション審査でも顔認証が採用されていますが、最終チェックは人間が判断しているようです。

 

生体認証は唯一無二と言われますが、生体情報を取得したときからの経年変化を考慮しなければいけません。

変化する生体情報をどのように管理するのか、例えば、取引ごとに生体情報をブロックに追加しておいて、前回取引の生体情報との差分が所定範囲外であれば認証を拒否するという考えもあります。

前回取引との差分では心もとなければ、過去の取引に使った生体情報をすべて参照し、線形変化の範囲なら認証を許可するというような考えもあります。

 

その他、今回の発明には健康情報について言及されていました。

健康状態に基づいて仮想通貨の価値を上げるという仕組みなのですが、クーポンの価値をバイオデータに連動させるというサービスは何か化けそうな気がします。

アップルウオッチもバイオセンサを搭載していることから想像すると、今後はバイオデータに価値を持たせたサービスがでてくるでしょう。

その一つが仮想通貨なのかもしれません。

 

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弁理士 田中智雄