静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

前課金で提供するサービスを実行できなかったときに仮想通貨を加えて返金する

特許第6150412号

前課金で提供するサービスを実行できなかったときに、前課金で支払われた金額の返金の他に仮想通貨をサービスする発明です。

 

前課金を受けた後にサービスを提供できなかったときに購入金額を返金しています。

購入金額の返金に加えて仮想通貨をサービスしています。

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【発明の構成】

サービスを提供できないと判断した場合に、仮想通貨記憶媒体に対してサービスの購入金額の返金とは別の価値を有する仮想通貨である付加仮想通貨を付与するよう記憶する。

 

【note】

前課金でサービスを提供するときに、サービス提供者側の都合でサービスを提供できなかったとき、前課金した金額を返金するのは当たり前です。

そして商習慣として、お詫びの心付けを贈ることもよくあることです。

この「商習慣」がトラブルを円満に解決します。

 

自動処理によりサービスが行われているときにトラブルが発生したときも、「商習慣」に相当する何かを自動的に行う仕組みが求められています。

その一つとして、この発明ではクーポンをサービスしています。

 

この発明で考えたことは、いわゆるスマートコントラクトでトラブルが発生したときに応用ができないかということです。

今回の発明も、ブロックチェーンこそ利用していませんが、前課金をトリガーとして予め定めたサービスを提供するというスマートコントラクトを実行しています。

 

スマートコントラクトの実行に不具合が発生したときに、仮想通貨を付け加えて返金処理するという考えは、スマートコントラクトが実装された仮想通貨で応用できそうです。

例えば、EHTに実装されたスマートコントラクトが実行できなかったなら、ETHを付与するということになります。

 

ところで前課金の目的は、費用が回収できないことを防ぐためなので、スマートコントラクトで決済処理を実行するならば、前課金という方法自体が要らないのかもしれません。

 

さてトラブルの後処理に限らず、何らかのクーポンをサービスするというのは、キャンペーンでよく使われる方法です。

例えば携帯事業者もキャンペーンと称して〇〇ポイントを一定期間サービスしています。

 

トラブルが起きたあとにクーポンを提供することと、クーポンを提供して自社サービスの利用を促すこととは、直接の目的こそ違いますが、クーポンを利用するという手段は共通し、利用者の心証をよくすることができるという販促効果も共通します。

 

そんな目で見ると仮想通貨をサービスするという考えもクーポンの提供と同じということになります。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄