静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

ブロックチェーンを介してアンケート情報を使い回す

特許第6809768号

回答データの所有権を回答者自身に持たせ、調査会社によるデータの独占、ユーザーの囲い込みを無くす発明です。

 

 

アンケートに回答したユーザーの回答データをユーザーの公開鍵で暗号化した状態でサーバー内に蓄積しています。

公開鍵暗号方式を用いて暗号化された回答データのハッシュ値をブロックチェーン上に記録しています。

ユーザーによる利用承諾があった場合にのみ、アプリケーションによって回答データを復元して依頼主の目的に応じたデータ処理を実行しています。

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【発明の構成】
アンケート票に回答した内容を公開鍵暗号方式で暗号化した回答データとして蓄積する、
回答データのハッシュ値をブロックチェーンに記録する、
ユーザーが回答データの公開を承諾した場合、暗号化された回答データをダウンロードして秘密鍵で復号する、
復号した回答データをブロックチェーン層に記録されたアプリケーションの公開鍵を用いて暗号化してアプリケーションに送信する、
アプリケーションは、暗号化された回答データを秘密鍵で復号し、ブロックチェーン層に記録されたハッシュ値がアプリケーションで計算したハッシュ値と一致した場合、復号された回答データを一時的に保存し、回答データに対して目的に応じたデータ処理を実行する、

 

【note】

アンケートに限らず毎回、同じような個人情報を多岐にわたって記入しています。

一度、記入した情報を使い回せたら便利です。

今回の発明は、アンケートの回答データをブロックチェーンに記録しておき、アンケート情報が必要な事業者にブロックチェーンに記録されているアンケートの回答データの利用を許可するという仕組みです。

アンケート情報以外の個人情報も同様の方法でブロックチェーンに記録しておき、自分の個人情報が必要な事業者等に個人情報の利用を許可することもできます。

アンケートの回答と、それ以外の個人情報の違いは、アンケートの場合は年代や属性など個人を特定する必要がないのに対して、それ以外の個人情報は個人の特定が必要です。

完全な個人情報をブロックチェーンに記録して、個人情報が必要な事業者に対して利用を許可するのは心理的なハードルが高いものです。

その点、属性のみの特定で十分なアンケート情報の再利用なら心理的はハードルが高いということはないでしょう。

アンケート情報に種々の属性タグを割り当てておき、属性タグをキーに該当するアンケート情報を特定し、そのアンケート情報の所有者にクーポンサービスなどのインセンティブを与えてアンケート情報の利用の許諾を求めるという流れなら十分実用化できます。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄