静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

ブロックチェーン技術を使ってSNS投稿内容の真正性を管理する

特許第6762057号

SNSサーバに送信されるコンテンツをサーバ管理者とは独立した承認者が承認して真正性をチェックし、真正性が承認されたコンテンツのトランザクションをブロックに書き込む発明です。

 

ユーザ端末からSNSサーバに送信されるコンテンツ投稿・編集データに対し、SNSサーバとは独立し、かつ、互いに独立した複数の承認者端末のいずれかによってコンテンツの真正性をチェックしています。

 

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真正性が確認された時点でのコンテンツ投稿・編集データを全ての承認者端末で保持し、データのブロック鎖を構成しています。

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【発明の構成】
SNSサーバから受信した承認依頼に含まれるコンテンツ投稿・編集データについて、真正性判定データベースを参照してコンテンツの真正性を判定、
承認された複数件のコンテンツ投稿・編集データを基にブロックを生成し、ブロックチェーンデータベースに登録、

【note】

コンテンツの真正性を判断するという発明です。

真正性が認められれたコンテンツをブロックチェーンに書き込み、事後的に検証用に使っているので真正性判定がこの発明のエッセンシャルです。

真正性に何を求めているかなのですが、明細書では、コンテンツに加えられた不自然・過度な修正、編集、位置情報や時間情報の偽装、画像の撮影場所、撮影時間などの改ざんを上げています。

したががって、この発明の真正性とは、一次コンテンツからの修正履歴を確認して、その内容をチェックしていることになります。

そして検出方法は、アルゴリズムや人工知能、目視チェックを上げています。

 

真正性チェックというのは、悪い言い方をすれば検閲です。

もっともサービス事業者が好まないコンテンツをアップしないことは、昨今のTwitterやYouTuberのように、これからは当たり前のようになるのかもしれません。

 

技術的なことではなく法的な視点からいうと、ブロックチェーンへの書き込みは後から消去できないことを意味します。

後日、コンテンツの消去を必要とする例えば裁判所の判決が出たような場合に、ブロックチェーンに書き込んだコンテンツは、裁判所の削除命令を履行することができなくなります。

 

そのためにもブロックチェーンに書き込むコンテンツの内容を吟味する必要があり、書き込み前段で「真正性」を判断するというより、そのようなリスクを生じさせる可能性があるコンテンツをフィルタリングする必要があります。

実際の運用となると、そのようなコンテンツをフィルタリングすることは難しく、またそのようなフィルタリングされたコンテンツしかSNSサーバにアップされないとすると、面白みのないコンテンツばかり、ということになってしまいます。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄