静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

寄付金の流れをトークンに連動させて把握する

特許第6738113号

寄付金を募った慈善団体からどれだけの金額が誰に提供されたのかを把握する発明です。

 

寄付金の額に応じたブロックチェーンのトークンを発行しています。

寄付金を募った慈善団体の銀行口座への入金額に対応するトークンを慈善団体のウォレットに入れています。

慈善団体から提供される資金に応じたトークンを、慈善団体のウォレットから移転させています。

慈善団体の銀行口座から実際に送金された寄付金と、トークンとの一致を検証しています。

 

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【発明の構成】

法定通貨にペッグされたステーブルコインであるブロックチェーンのトークンを、寄付者から慈善団体への寄付金の金額に応じて発行する、
慈善団体からの寄付金の全部又は一部の送金に応じて、ブロックチェーンにおける慈善団体の第1アカウントからブロックチェーンにおける寄付金の送金先の第2アカウントに、送金額に応じた量のトークンを移転させる、
第1アカウントから第2アカウントに移転されたトークンの量と金融機関の口座間の取引情報が示す慈善団体の口座から送金先の口座に送金された金額が対応することを検証する

 

【note】

寄付したお金が本当に必要な人に届けられたのかという疑問を頂いている人は少なくありません。

1000万円の寄付金が寄せれたという事実が発表されても、その1000万円の行方が発表されることはありません。

今回の発明は、1000万円に対応させたトークンの流れで、1000万円の行方を把握しようとする仕組みです。

銀行口座間の資金の動きを見れば、1000万円の流れがわかるので、わざわざトークンに対応付ける必要などないように思えます。

ただ口座間の資金の流れはクローズ情報なので、その情報をブロックチェーンに反映させたことで、資金の動きがオープンになります。

ブロックチェーンを参照して資金の流れがオープンになるのであれば、世の中のすべてのお金の流れを誰でも知ることができるようになります。

税金の使いみちや政治資金の使いみちなど、不透明なお金は世の中いくらでもあります。

モノの動きをIotで追跡できるのと同じように、お金の動きがトークンで追跡できるようになります。

テクニカルな面で気になったのが、トークンをステーブルに限定しているところです。

当初クレームには無かったのですが、拒絶理由で審査官が補正案として言及したことを以て、トークンを法定通貨にペッグさせたステーブルコインに限定しています。

法定通貨と一対一に対応させなければお金の動きをトークンに反映させることができないということでもないような気がします。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄