静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

トークンをインセンティブとして消費者から購買情報を取得する

特許第6691254号

消費者が購買情報をメーカに提供するとトークンを返す発明です。

 

メーカが購買情報を取得するためにはPOSを設置している小売店の協力が必要です。

メーカはPOSを支配する小売店抜きには商品開発ができない関係となり、メーカと小売店との力関係が逆転しました。

 

今回の発明は、購買情報をPOSに依存せずにメーカが消費者から直接取得する仕組みです。

消費者がメーカに対して購買情報を送信する動機づけにトークンを使います。

いわゆるポイントなのですが、現在のポイントは小売店が独自に発行しています。

したがって別の小売店ではポイントが使えません。

 

メーカが発行するポイントの特徴は、ポイントを発行したメーカの商品なら小売店が異なってもポイントを利用できるところにあります。

小売店が発行するポイントが乱立しているので、ポイントを集約させたいと思い人は多いと思います。

ナショナルブランドの商品ならどこの小売店でも扱っているので、メーカがポイントを発行すればポイントを集約させることができます。

 

この発明のもう1つのポイントは、メーカが発行するポイント以外に汎用トークンを付与することです。

 

メーカが扱うすべての商品に対してポイントが紐付けられているとは限りません。

購買情報が必要のない商品や、ポイントの紐付けがおこなれていない商品もあるでしょう。

消費者がせっかく個人情報をメーカに提供しても、メーカが対応していなければポイントのキックバックが受けられない、このようなことがないように、メーカ発行のポイントをキックバックできない場合は、汎用トークン、つまり仮想通貨を返すようにしています。

 

仮想通貨を付与するのであれば、トークンの管理はブロックチェーンということになります。

今回の発明も、仮想通貨はもちろんのこと、ローカルトークンの管理もブロックチェーンを利用しています。

ブロックチェーンのセキュリティ性を享受できるとともに、ローカルトークンと仮想通貨との交換サービスを提供するうえでも、ブロックチェーン管理の方がよいでしょう。

 

いろいろな事業者がトークンを発行して独自経済圏を構築しています。

楽天のような経済圏が大きい事業者が有利ですが、今回の発明のように、汎用トークンと協働させれば、規模が小さい事業者でもトークンエコノミーを構築することができます。

POS経由でしか取得できなかった購買データをメーカが消費者から直接取得できることも大きなメリットです。

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弁理士 田中智雄