静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

生体認証でトランザクションを管理する

特許第6650157号

生体認証が成功したときにブロックを生成する発明です。

 

例えば、BTCのブロックを生成するまでの流れを俯瞰すると、ビットコインの送金、トランザクションの生成、トランザクションを含むブロックを生成という工程があります。

このときトランザクションへの署名を行って改ざん防止を実現しています。

 

今回の発明は、さらに生体認証を加えてセキュアを実現しています。

 

生体認証のメリットはパスワード管理から開放されることです。

ブロックチェーンを使うときの暗号化ですが、秘密鍵でトランザクションに署名しています。

本人だけが知る秘密鍵が漏洩してしまうと、セキュリティシステムが破綻します。

公開鍵方式に代えて生体認証を使いたいという思いはあっても、互換性を維持するために既存の公開鍵方式を放棄するわけにはいきません。

 

今回の発明では生体認証を使っていますが、公開鍵方式と並列で運用するので、依然として秘密鍵の管理を行わなければなりません。

 

公開鍵方式を使うにしても、秘密鍵の管理から開放されたいなら、公開鍵方式の上位に生体認証を構築することになります。

 

生体認証に基づいて秘密鍵を生成してトランザクションに署名するという流れになります。

この方法はすでに「公開型生体認証基盤」として公開されており、ブロックチェーン上で実装できます。

 

生体認証を既存のシステムにどのように実装するかを考えるとき、今回の発明のように、既存のシステムと並列に実装する方法と、既存のシステムの上位レイヤーに実装する方法があります。

既存システムのデメリットを解決するという目的なら後者の実装になり、既存システムに新しい機能を付加したいという目的なら前者の実装になります。

 

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弁理士 田中智雄