ブロックチェーンを使って映画資金調達のクラウドファインディングを行う

特許第6635442号

ブロックチェーン上で出資者毎の出資額を記憶し、スマートコントラクトを用いて、収益を配分する発明です。

 

今回の発明のポイントは、

 出資者がブロックチェーン経由で映画作品に対して出資してクラウドファンディングサービスを実現すること、
 出資者の出資額及び収益配分ルールに応じて興行収益を各出資者に配分する手続きをスマートコントラクトで実現すること、
 映画作品の目標額に達成しない場合、出資者から出資された出資額を出資者のウォレットアドレス宛に返却すること、

の3つです。

 

クラウドファインディング、ブロックチェーン、スマートコントラクトを組み合わせて映画の資金を調達しています。

先行技術との相違を見出すために、3番目の出資額をウオレットに返却する構成を加えています。

 

出資金をクラウドファインディングするとき、透明性とトレーサビリティの部分がブラックボックスでした。

ブロックチェーンで、この部分を補うことができます。

スマートコントラクトは、予めルール化しておた興行収益の配分を自動化できます。

 

出資金の返却先をウオレットに限定しているので、クーポンを使っています。

明細書では特にクーポンの扱いについて記載されていません。

例えば、興行映画に関連づけた独自クーポンを発行し、クーポンの価値を成長させるような仕組み、クーポンの保有割合に応じてインセンティブが与えれる仕組みを考えることができそうです。

 

映画資金に限らず、広く出資を募り事業に投資し収益を分配するという方法は、不動産のソーシャルファンディングにも見られます。

収益率ばかりに注目されがちですが、事業の進捗状況がブラックボックスで、ある日、突然、事業が破綻した、ということも珍しくありません。

さらに目論見に記載された事業に投資されているはずが、投資されていない、もしくは、別の事業に投資されていた、ということもあります。

ソーシャルトレーディングの破綻も増えており、破綻した場合に、出資金が返却されれば良いのですが、事業主体が清算したりすれば返却されなかったり、返却までの見通しがたたないという事故が起こり得ます。

 

結局のところ、投資したあとの不透明性がこれまでのソーシャルトレーディングには付いて回っていたのですが、今後はこの部分をブロックチェーンで補い、事業の進捗状況を常にアップデートして可視化することで、ソーシャルトレーディングが息を吹き返すかもしれません。

 

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田中特許事務所

弁理士 田中智雄