静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

トランザクションIDのデータ量を抑えて過去のトランザクションにアクセスする

特許第6362805号

過去のトランザクションにアクセスするときに必要なトランザクションIDのデータ量を抑える発明です。

 

過去のトランザクションへのアクセスに必要なトランザクションIDはハッシュ値なので、トランザクションの数が増えれば、対応するトランザクションIDのデータ量も増えます。

トランザクションIDのデータが肥大化すると、アクセス速度の低下を招きます。

 

過去のトランザクションをハッシュ値で特定する従来方法に対して、この発明ではブロックの高さとブロック内における順序に基づいて過去のトランザクションを特定します。

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トランザクションIDのハッシュ値は一般的には32バイトである。

ブロックの高さだ321、ブロック内のボディ内の3番目、というポインタの場合、第1のバイト数を3、第2のバイト数を1の合計4バイトとすることができます。

 

32バイトを必要とするトランザクションIDに対して、今回のポインタは4バイトとなり、データ量を減らすことができるという仕組みです。

 

仮想通貨の送金を行うためのブロックチェーンネットワークにおいて、アドレスAからアドレスBに送金を行うトランザクションが実行されると、アドレスAの残高とアドレスBの残高が変化します。

このような送金トランザクションが繰り返されるごとにトランザクションUDが発行され続ければ32バイトを占有するトランザクションIDを記録するメモリも大きくする必要があります。

32バイトから4バイトのポインタに代えればメモリリソースも少なくすることができます。

 

トランザクションを特定するために従来の32バイトトランザクションIDから4バイトのポインタに代えれば、データ量は減らすことができます。

反面、ハッシュを使わないことでハッシュでIDを発行することのメリットはなくなります。

 

トランザクションIDのデータが流出した場合でもIDが特定されることはありません。

ポインタのデータが流失した場合にポインタが特定される可能性がありそうです。

 

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弁理士 田中智雄