中国正規工場からの横流しを防ぎたい

中国の有名な通販サイトを見ていると、日本輸出向けと称して市場価格よりも相当に安い値段が付けられた日本の商品が掲載されています。

 

横流し品やB級品と言われている商品です。

 

これらの商品は、僅かな傷があるため検品に合格しなかった商品、一旦購入されたあとメーカに返品された商品の再販品、無断製造品です。

検品に不合格になった商品や返品商品は使用には全く問題がないためとても人気がある商品です。

 

横流し品やB級品を製造している工場は、商標権者からの授権を得た正規の工場です。

本来、横流し品やB級品が市場に出回ることはあり得ません。

ところが現実には横流し品やB級品が流通してしているのが事実です。

 

最近では出荷するときにタグを切除して証拠の隠蔽を図るなど手口が巧妙化しています。

 

横流し品やB級品を流通させないようにするためには製造管理を徹底するしかありません。

模倣品の製造工場に対しては商標権侵害を理由に工場を摘発することができます。

ところが正規工場に対しては単なる債務不履行の問題であるとして工商局の取締りを期待することは簡単ではありません。

 

製造委託契約で横流し品やB級品の扱いについて十分に規定しておく

契約に反して横流し品やB級品が出荷されたことが明らかになった場合、罰金を課したり契約を解除するなどの強行規定を設け、横流し品やB級品を流通させないという強い意思表示が必要です。

 

通販サイトを観察してみると、横流し品やB級品が市場に多く流通しているブランドがある一方で、殆ど見かけることがないブランドがあることも事実です。

ブランド価値を維持していくうえでも横流し品やB級品の扱いは慎重にしましょう。

 

数量制限を超えて製造された商品は権利侵害品である

OEM契約した工場で、契約で制限した数量を超えた商品が生産され、それが横流しされるケースも少なくありません。

数量制限に反しているので、契約違反であることは間違いありません。

 

では、もし登録商標付きの商品を中国などでOEM生産させていた場合に、契約で定めた数量を超える商品が生産されて、それらの商品が日本に輸入されていたら、それは商標権を侵害していると言えるのでしょうか。

 

商標権を侵害している商品であれば、商標権に基づき税関の輸入差止めなどの手続きが可能です。

また輸入された後でも、商品の販売差止めや商品の廃棄を請求することができます。

 

一方、商標権の侵害ではなく、単なる契約違反に過ぎなければ、輸入差止めなどの商標権の行使はできません。

 

中国などの海外でOEM生産させた登録商標付きの商品を日本へ輸入する行為は、いわゆる並行輸入と呼ばれています。

 

日本では、並行輸入は、商標の機能を害しない限り商標権を侵害しません。

契約違反だからという理由で、それが商標権を侵害するわけではありません。

 

並行輸入が、商標権を侵害する、と言うためには、「商標の機能を害する」、と言わなければなりません。

商標の機能とは、出所表示機能と品質保証機能のことを指します。

ところがOEM生産した商品が、「商標の機能を害する」、と言うことは簡単ではありません。

 

例えば、1000個の商品の生産を委託する契約した場合を考えてみます。

契約内容を超えて1500個の商品が生産された場合、1500個の製品のうち、どの商品が商標の機能を害する商品で、どの商品が商標の機能を害さない商品であるかを、区別することができるでしょうか。

 

どの商品が、出所表示機能や品質保証機能を害していて、どの商品が出所識別機能や品質保証機能を害していない、と区別することができるでしょうか。

 

出所表示機能については、どの商品も同じ、すなわち、出所表示機能を備えています。

品質保証機能についても、1000個目に生産された商品と、1001個目に生産された商品の品質が違うと言うことは、1001個目の商品が不良品でもない限り現実的ではありません。

 

個別具体的に判断していかなければなりませんが、OEM生産された商品の輸入で、商標権侵害を主張するハードルは低くはありません。

 

OEM契約で大切なことは、ライセンシーを適切に管理し、もし契約違反が起きてしまった場合には、権利侵害品であることを明確にしておくことです。