商標のように使えるかもしれない欧州の意匠

欧州意匠の特徴は物品の運用です。

物品と外観デザインを一体として権利範囲を定めている、

これが日本の意匠制度。

欧州意匠制度は外観デザインのみで権利範囲を定めています。

 

日本で自動車のプラモデルを製造・販売した場合、

自動車の意匠権の侵害にならなりません。

物品が異なり2つの物品が互いに非類似の関係にあるからです。

 

欧州で自動車の意匠が登録されている場合、

本物そっくりの自動車のプラモデルやミニカー、

これらは自動車の意匠権を侵害します。

 

外観デザインの印象だけで意匠権の侵害が判断されるなら、

商標的な保護を求めることができるのではないか、

という考えが浮かびます。

 

画像デザインを商標として出願する場合、

区分ごとに商品やサービスを指定します。

区分が増えると費用も増えます。

実務的には全ての区分で登録するわけにはいきません。

 

画像デザインを意匠として出願したらどうでしょう。

出願形式では物品名を記載することになっています。

 

ところが侵害判断では記載した物品に拘束されるわけではありません。

商品に現れている画像デザインの全体的な印象、

これが登録意匠のデザインと同じであれば意匠権の侵害です。

 

区分に制限される商標、

物品に拘束されず外観デザインのみで判断する意匠、

実施的な保護範囲は意匠の方が広いと考えることができそうです。

 

商標制度の意匠制度の違い、

権利の存続期間がネックになります。

 

更新により半永久的に権利を存続させることができる商標権。

存続期間が最大25年で満了する意匠権。

 

実務的には商標として出願する区分数を抑えて、

意匠でも出願するというダブルトラックを行います。

これで商標でカバーされない区分を意匠でカバーするという運用ができます。

 

さらに欧州意匠は無審査で登録されます。

実体審査がない分、出願から短期間で登録されます。

 

欧州商標を登録する予定があるなら意匠も登録する、

商標と意匠のダブルトラックをおすすめしています。

 

参考情報

EXAMINATION GUIDELINES COMMUNITY DESIGN: 6.1. Clear Indication (Art. 36(2) CDR; Art 1(1)(d), 3(3) CDIR