静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

仮想通貨建ての保険商品の運用

【特許第6467653号】

地震や津波などの巨額支払いリスクが発生した場合、従来の保険会社の資本金を支払いに当てるような支払いに代えて追加で発行した仮想通貨を不足分の支払いに当てる発明です。

 

リスク商品の仮想通貨建て商品のトークン発行スケジュール、トークン発行のミニマム値、最低保証額を設定しています。

リスク商品の購入者からトークンの支払いを受けます。

保険金(仮想通貨)の支払いが必要なイベントが発生した場合、支払いに必要なトークン数が、これまでに払い込まれたトークン数で充足できるかどうかを判断しています。

支払いに必要なトークン数が払込トークン数を上回る場合、不足分のトークンを追加で発行しています。

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【発明の構成】

支払条件が発生するまでに支払われた,参加者が参加したリスク商品について支払うべきトークン数である参加トークン数のうちプールされているトークン数の合計と,リスク商品への参加時の一口あたりのトークン数に対して支払条件が発生した場合に支払われる率である最低保証率に基づく支払のための必要トークン数とを比較、
支払トークンが不足していることを判定した場合には,不足分についてリスク商品で用いるトークンの追加発行を行う、

 

【note】

仮想通貨建ての保険です。

保険会社は巨額の保険金の支払いが発生した場合は自己資本を切り崩す仕組みです。

ただ保険会社もそのような支払いは避けたいので、リスクを限定したり、支払いを拒否したりしています。

保険金の支払いが必要な事故が発生する時期によっても支払い能力に影響します。

たとえば、保険商品を募集した直後の掛け金が十分に払い込まれていないときに、巨額の支払いが発生すれば支払い能力を超えます。

払い込みが十分でない期間や支払い額が巨額になったときに、追加のクーポンを発行して、支払いに充てるという仕組みです。

法定通貨で運用する限り、民間事業者の都合で追加発行ということはできません。

しかし民間主体で発行できる仮想通貨なら、時機に応じてクーポンの発行をコントロールすることができます。

マクロで見れば、政府が国債を発行したり、企業が社債を発行して急場を凌ぐのと同じです。

債権とクーポンの違いは償還の有無でしょう。

発行した債権はいずれ償還しますが、クーポンは期間内の全体の発行数が変わらなければ適宜発行数をコントロールするだけで足ります。

期間内でどれだけのクーポンを発行するのかの設計を工夫すれば良いということになります。

 

通貨の発行主体を中央銀行から開放した仮想通貨や地域通貨を使えば、今回の民間サービス以外にも、地方行政のサービスにも応用ができます。

 

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弁理士 田中智雄