静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

保有資産をレバレッジ評価してPoSによるマイニング量を決める

特許第6651083号

保有資産の量でマイニング量が決まるPoSは、保有資産が少ないマイナーに不利に働きます。保有資産が少なくても効率的なマイニングができるように保有資産をレバレッジ評価してマイニング量を決める発明です。

 

ユーザが保持している仮想通貨を担保にしています。

担保した仮想通貨の価値を法定通貨で換算しています。

法定通貨で換算した仮想通貨の価値に応じて別の仮想通貨をユーザに提供しています。

ユーザがマイニングできる量は、担保した仮想通貨の量ではなく、法定通貨で換算した担保仮想通貨の価値に応じて別の仮想通貨の量で決めています。

 

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【発明の構成】

ユーザのアカウントに入金されている通貨Aの金額を、通貨Xによる価格である入金価格に換算、

換算した入金価格に応じてユーザのアカウントの通貨Aを担保としてユーザに貸し付ける貸付価格を計算、

貸付価格相当の、仮想通貨である通貨Bをユーザのアカウントに入金、
アカウントに入金された通貨Bを用いて、通貨Bに係るステーキングを運用させる

 

【コメント】

マイニングマシンのパワーに依存するPoWに代わるPoSのデメリットは、マイニングできる量が保有資産に比例することです。

少額の資産しか保有しないマイナーは大量の資産を保有するマイナーに劣後するため、結局のところ、マイナーが独占されます。

これでは強力なマイニングマシンを有するマイナーがマイニングを独占するPoWと同じ結果になってしまいます。

 

今回の発明は、少額の資産を有するマイナーに下駄を履かせて大量の資産を有するマイナーと渡り合えるようにしています。

少額資産ホルダーの資産を担保に資産を貸し付けて、マイニング終了後に利息を付けて返済させるという仕組みです。

 

レバレッジをかけて投資するというのはビジネスの常識です。

 

マイニングという投資が終了した時点で、借りた仮想通貨を利子を付けて返済という投資モデルです。

一般的なレバレッジ運用と違うのは、担保とする通貨と、借り入れる/貸し付ける通貨を異ならせて記載しています。

担保とする通貨を法定通貨とマイニング量を決める仮想通貨を意識していると思います。

しかし、PoSを採用する仮想通貨のそれ自体を担保にレバレッジさせてもよいと思うのですが、運用上、貸付通貨の価値が下がるなどの貸付リスクが起きたときを想定して、担保は信用がある法定通貨とするために、担保通貨と貸付通貨を分けているのだと思います。

 

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弁理士 田中智雄