静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

再エネ電力のトレーサビリティを実現する

特許第6797450号

ブロックチェーンを使って誰がどの種類のエネルギーをどれだけ消費したのかを把握する発明です。

 

発電所が発電した発電量に対応するトークン(例えば、1kWh=1トークン)を発行して、ブロックチェーンにおける発電所のアカウントに登録しています。

需要者が送電ネットワークから受電した電力量と、発電所が発電して送電ネットワークに送電した電力量とを、需要者が特定の発電所から電量供給を受ける仮想的なPPAを利用して対応付けています。

例えば、15分や30分ごとに、発電所が発電して送電ネットワークに供給した電力量と、需要者が送電ネットワークから受電した電力量とを取得し、同一の発電所との間でPPAを結んだ複数の需要者の間で、発電所からの発電量を按分して、発電所から需要者に対して供給された電力量を計算しています。

ブロックチェーンネットワーク上において、供給量に相当するトークンを発電所のアカウントから需要者のアカウントに送付して、電力の取引を疑似的にトレースしながら、特定の発電所が提供した電力を特定の需要者に擬似的に直接販売したと把握する仮想的なPPAを実現しています。

 

 

【発明の構成】

各発電事業所で発電される電力のうち所定の電力ネットワークに送電された供給量を取得、
ブロックチェーンにおける発電事業所の第1アカウントに供給量に応じたトークンを発行、
需要者のそれぞれについて、電力ネットワークから受電した需要量を取得、
発電事業所及び需要者の組ごとに発電事業所から需要者に送られたとみなす送電量を決定、
発電事業所ごとに、発電事業所と組となる複数の需要者の第2アカウントのそれぞれを送付先とし、第1アカウントを送付元とした、第1アカウントから第2アカウントのそれぞれに需要者ごとの送電量に応じたトークンの量を移転させる、ブロックチェーンに対する単独のトランザクションを発行、

 

【note】

誰がどの種類のエネルギーをどれだけ消費したのかを把握するトレーサビリティを実現する場合、発電所と需要者が一対一の場合は可能でも、ネットワークを介して複数の発電所と複数の需要者との間でトレーサビリティを実現する場合は簡単ではありません。

理由は簡単で電力に「色」が付いていないからです。

いま使っている電力がどの発電所で発電した電力なのかを知るためには、発電所ごとの電力を識別できる仕組みが必要です。

今回の発明では、発電所のアカウトから需要者のアカウントに対してトークンを移動させてトレーサビリティを実現しています。

複数の発電所からトークンが送られてくる需要者のアカウトには、発電所Aからのトークンや発電所Bからのトークンが混在します。

電力という「色」がないモノでも、このトークンで識別します。

トークンは例えば1kWhあたり1トークンで発行されるので、このトークンを数えれば、自分が使っている電力は、どの発電所からの電力で、かつどの発電所の電力をどのくらい使っているかがわかる仕組みです。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄