ブロックチェーンを利用した電力のリアルタイム取引を実現する

特許第6863508号

リアルタイム処理に弱いブロックチェーンを利用してリアルタイム性が求められる電力取引を行う発明です。

 

再エネの発電から消費までをリアルタイムにトラッキングするシステムです。

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電力を使用した後に電力の所有者情報を供給者から使用者に変更しています。

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【発明の構成】

電力使用者の通信端末から、電力提供者から提供された電力の使用状態を示すと共
に電力使用者を識別するための使用者識別情報を含む使用情報を受信、
 使用情報に基づいて、ブロックチェーンネットワークで管理されている電力の所有権者を使用者に変更するための変更要求をブロックチェーンネットワークに送信

 

【note】

ブロックチェーンはリアルタイム処理に弱いという特徴があります。

ブロックチェーンでは、一定時間ごとに取引記録をブロックにまとめて記録しています。

また複数のコンピュータが同時に別々のブロックチェーンをつくることもあります。

複数のブロックチェーンが作られた場合、一定時間が経過したあとに、一番長いチェーンのブロックを有効にしています。

つまりブロックチェーン技術では時間の経過が必要であり、リアルタイム処理には向いていません。

 

再生エネルギーを扱う場合、消費量と発電量とを同一にするために発電量と消費量をリアルタイムで管理しています。

ブロックチェーンで何を管理するのかにもよるのですが、今回の発明は電力の所有権者情報を変更するタイミングを工夫しています。

 

通常の商取引においては、何かモノを買ってから消費します。

つまり消費する前にモノの所有権を変更しています。

電力に置き換えると、必要な電力を買ってから消費することになります。

 

しかし、電力のリアルタイム管理に求められるのは、消費量と発電量であり、電力の所有者が誰かというのは課金において必要というだけです。

電力を買ってから消費するというプロトコルを行うと、所有権情報が正しく反映されるまでに、ブロックブロックの非リアルタイム処理がボトルネックになります。

 

今回の発明では、電力を使ったあとで所有権情報を変更するという、いわゆる後払いによって電力を消費しています。

 

ただ、電気ガス水道のようなアセットは、全て後払い方式です。

先払いで消費するアセットは、プロパンガスです。

 

消費した後に所有権情報を変えるというのは、現在のインフラアセットの課金方法と同じだと思います。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄