ロールバックが発生した場合でも取引が実際に確定するまで待つことなく次の取引を始めることができる発明

特許第6776396号

連続した送金依頼トランザクションを実行する場合、先行するトランザクション処理が確定しないと後続するトランザクション処理が実行できません。

連続して送金処理する場合は、先行する処理が確定するまで待機しなければならず、後続の送金処理の実行に時間がかかります。

本発明は後続する送金処理のための待機を無くす発明です。

 

先行するブロックチェーンに接続されたブロックが失われた場合、失われたブロックに記憶されたトランザクションを再度ブロードキャストしています。

先行する送金処理が成功するまでブロードキャストが繰り返されます。

このため先行する送金処理が失敗しても人為的に再送金する必要がなく確実に送金処理を確定されることができるため、先行する送金処理の確定を待たずに後続する送金処理を実行することができます。

 

ブロックが失われる例として、2つのマイニングシステムがブロックチェーンの末尾のブロックに2つのブロックをを接続し、これによりブロックチェーンが2つに分岐した場合、一方のブロックチェーンが所定の長さまで延びてロールバックすると、他方のブロックチェーンのブロックが失われることを挙げています。

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ブロックが失われるとトランザクションも失われ、結果、送金処理が失敗してしまうため、消失した場合でもトランザクションを再発行するようにしています。

 

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【発明の構成】

トランザクションに多重署名を施してブロードキャストした場合、その後に、後続送金依頼を受信すると、先行する送金が確定しているか否かに拘わらず、後続送金依頼に応じてトランザクションをブロードキャストする。
ブロックチェーンに接続されたブロックが失われた場合、失われたブロックに記憶されていたトランザクションを再度ブロードキャストする。

 

【コメント】

仮想口座間の送金において連続する取引を実行しようとしたとき、先行の取引が確定しないと後続の取引が実行できない、ことを課題としています。

先行の取引の確定を待ってから後続の取引を実行するため、先行の取引が失敗した場合は後続の取引が実行できず、もしくは実行されず、これによりと取引時間が長くなってしまうという課題を特定しています。

先行取引の確定を待ってからではないと後続の取引が実行できない、これは仮想通貨の取引固有の問題なのかが分かりません。

例えば、先行する取引が終了して後続する取引を実行しようとしたら口座残高が不足していたというようなことを想定しているのかもしれません。

それならば2つの取引を同時に指示するときにエラーが顕在化します。

現行の銀行間送金でも2つの取引を同時に指示することは可能で、取引が可能かどうかを残高を監視して判断しています。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄