ウォレット所有者の仮想通貨の相続やウオレット端末の紛失時の資産保護を行う

特許第6532581号

仮想通貨を安全管理するソフトウオレットにおいて、生体情報・端末情報に基づいて生成した秘密鍵、公開鍵、端末署名、生体署名を用いて、仮想通貨ウォレットのログイン認証、停止、復元、移行を行う発明です。

 

本人確認を行った上でログイン認証に係る処理を抑止しています。

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どのような条件を満たした場合に秘密鍵及び保管情報をユーザ端末に送信す
るのかを規定しています。

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どのような条件を満たした場合に秘密鍵をユーザ端末に送信し、端末署名、
生体署名及び個人情報の少なくとも1つを更新するかを規定しています。

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【発明の構成】

 ユーザ操作により入力された個人情報と、保管手段により格納された個人情報と、に基づき、ログイン認証に係る処理を抑止、
 入力が受け付けられた生体情報に基づく生体署名と、サーバ装置に格納された生体署名と、
が一致することを転機として、保管手段により格納された秘密鍵を、ユーザ端末に送信、
 ユーザ操作により入力された個人情報の少なくとも一部と、サーバ装置に格納された個人情報の少なくとも一部とが一致することを転機として、格納された秘密鍵を、ユーザ端末に送信し、格納された端末署名、生体署名及び個人情報の少なくとも1つを更新、

 

【コメント】

仮想通貨を安全管理するソフトウオレットにおいて、生体情報・端末情報に基づいて生成した秘密鍵、公開鍵、端末署名、生体署名を用いて、仮想通貨ウォレットのログイン認証、停止、復元、移行を行う発明です。

特に、ウォレット所有者の死亡等に伴う資産相続や、ユーザ端末又は鍵情報の紛失を想定した仮想通貨管理です。

 

ソフトウオレット管理では、端末を紛失すると端末からの操作ができません。そこで遠隔操作によりウオレットロックなどを実行する必要があります。

 

また端末を紛失した場合、端末環境を別端末で復元することも必要です。

 

これらの他、ユーザが死亡した場合、仮想通貨の相続移転が必要です。

その場合、死亡したユーザの本人確認のための各種情報を、相続人の端末に、被相続人の本人確認のための各種情報を移行しています。

 

今回の発明は、3つの特異事情を想定して、ウオレットの停止機能(端末紛失対応)、ウオレットの復元機能(端末紛失対応)、ウオレットの移行機能(相続対応)を備えています。

 

ウオレット管理の要である秘密鍵を送信することについては、それが悪意のある送信要求なのか、善意の送信要求なのかを判断することが難しいという側面があります。

処理を実行するかどうかの判断を条件一致にもとめていますが、条件一致の脆弱性があるため、リカバリー機能を設けた場合、どこまで悪用を防げるのかという点について、今回の発明に限らずすべての課題です。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄