静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

サプライチェーンにおける材料のトレーサビリティを向上させる

特許第6861327号

材料のサプライチェーンで取引対象のトレーサビリティの精度を上げる発明です。

 

サプライチェーンの各拠点において、材料をセンシングして、材料固有の識別情報を生成しています。

サプライチェーンの各拠点で、識別情報を含むトランザクションデータをブロックに記録しています。

 

 

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各拠点で同一性を判断する場合、拠点に運ばれてきた材料をセンシングして識別情報を生成し、ブロックチェーンを参照して上流の識別情報を取得し、これら2つの識別情報を比較しています。

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【発明の構成】

製品の材料を取引するサプライチェーンを構成する拠点に配置される管理装置が、

センサを用いて取得した材料を表す情報を用いて、材料に固有の特徴量を示す材料識別情報を生成、

材料の取引内容を示すトランザクションデータとして、生成した材料識別情報を含むトランザクションデータを、ブロックチェーンシステムに記憶されるブロックチェーンに登録

 

【note】

サプライチェーンを流れる製品を管理する場合に、情報の改ざんが困難なブロックチェーンを利用することが行われています。

サプライチェーンの各拠点でブロックチェーンに情報が書き込まれます。

書き込まれる情報は、同一の製品の情報である必要があります。

上流から流れてきた製品の情報を取得したときに、その製品が本当に上流から流れたきた製品と同じなのかを判断する必要があります。

ここで違う製品の情報を書き込んでしまった場合は、トレーサビリティが遮断されてしまいます。

上流の製品と現在拠点にある製品の同一性を判定する方法は、目視判断です。

ただし、これは製品が目視可能、容易に識別可能な場合であって、かりに目視不可能なガスや、識別不可能な粉状物には使えません。

 

今回の発明は、サプライチェーンの各拠点でブロックチェーンに記録する製品が、上流の製品と同一かどうかを判断するために製品をセンシングしています。

ガスであれ、粉状物であれ、互いに同一であれば、固有の情報が含まれているので、センシングによって、その固有情報を生成するという考えです。

センシングによって製品固有の情報を生成するので、目視不可能または識別が難しい製品でも製品の固有情報を生成できます。

サプライチェーンの拠点に流れてきた製品が上流の製品と同一かどうかを判断する場合、拠点に流れてきた製品の固有情報を生成し、その情報をブロックチェーンに書き込まれた上流拠点の固有情報と比較します。

 

ブロックチェーンに限らず、システムは人が関与するインターフェースで起こります。

システムが正確に動いても、安全装置を切ったり、製品を取り違えたりすれば、期待する効果は得られません。

今回の発明は、ブロックチェーンに書き込む製品の情報の取得を自動化しています。

情報を改ざんできないブロックチェーンだからこそ、書き込むときの慎重さが必要です。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄