静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

仮想通貨・ブロックチェーンの特許ポートフォリオ

ブロックチェーンを利用した投票システム

特許第6843327号

期間内で再投票ができるようにトランザクションの書き込みを一定期間保留したブロックチェーン上の投票システムです。

 

投票アカウントに対して投票トークンを発行しています。

投票者の端末で投票トークンを秘密鍵で署名して投票トランザクションを生成しています。

投票トランザクションを一定期間経過後にブロードキャストしています。

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【発明の構成】

秘密鍵と公開鍵の対とともに投票用アカウントを生成、
株主情報に基づく持ち株数に応じた数の投票トークンを単一の所有者ごとに発行、持ち株数が複数の場合に持ち株の数だけ複数作成された秘密鍵公開鍵対を用いて署名を行い投票トークンを発行、
署名された投票トークンのトランザクション情報を一時記憶、
所定の期間の終了時に、トランザクション情報をブロードキャストし、分散台帳に記録

 

【note】

ブロックチェーンを利用した投票システムです。

当初発明は、投票トランザクションをすぐにブロードキャストせずに一定期間保持させています。

トランザクションがブロードキャストされてブロックチェーンに書き込まれると投票のやり直しはできなくなります。

「再投票」を実現させるために、トランザクションのブロードキャスト時期を遅らる構成にしています。

「再投票」という言葉に違和感を感じたのですが、明細書では「再投票」が必要な投票として、株主投票を例示しています。

最も定款で再投票を定義すれば会社自治の範囲内で再投票もありということでしょうか。

 

さて、誰が誰に投票したという内容は秘密事項です。

ところがブロードチェーンを利用すると、だれでもブロックチェーンに書き込まれた情報にアクセスすることができ、秘密事項を知ることができます。

 

投票者と秘密鍵の組み合わせはブロックチェーン上には公開されません。

したがって、一人一票という投票ならば、全ての投票が同じ外見なので、投票者を特定することはできません。

しかし、持ち株数に応じて投票トークンを発行する株主投票の場合、特定の秘密鍵で署名された投票トークンの数をカウントすれば、その数を株主情報と照合すれば投票者を割り出すことができてしまいます。

 

今回の発明では、そのようなデメリットを解決する構成を限定して特許に至っています。

具体的には、投票者を特定できないように、複数の議決権がある場合は、議決権の数だけ投票アカウトを生成し、各投票トークンを別々の秘密鍵で署名して「一秘密鍵一票」を作り上げています。

 

田中特許事務所

弁理士 田中智雄