JASRACがなければ楽曲の二次利用は不可能に近い

利用したい楽曲の著作権者が誰か、その権利者はどこにいるのか、利用料などの条件は何かという、楽曲を利用するときの事前の作業の窓口となるのがJASRACです。

 

JASRACが嫌われる理由の一つは、JASRACに利用料を払わなければ音楽を利用できない、というものです。

しかし、JASRACが提供している楽曲の一元管理システムのよいところは、JASRACに利用料を払いさえすれば音楽を利用できる、ということです。

 

JASRACの良いところを理解するにはJASRACがなかった場合を考えてみると良いでしょう。

楽曲を利用したい場合の原則は、楽曲の著作権が帰属する権利者に予め許諾を得ることです。

無断で楽曲を利用すれば著作権の侵害になります。

 

ところが利用したい楽曲の権利者が誰かということや、その権利者がどこにいるのかを探すということは、極めて大変な作業です。

運良く権利者が見つかり交渉にたどり着けたとしても、利用条件に折り合いがつかず、楽曲を利用できないという場合もあります。

 

JASRACはこのような面倒な作業を一気に解決することができる楽曲の一元管理システムを提供しています。

 

JASRACが管理している楽曲を利用する場合、楽曲の著作権者を特定する必要もなく、その著作権者を探す必要もなく、料率などの条件を交渉する必要もなく、JASRACが定めている利用料を払うだけで、楽曲を利用することができます。

 

JASRACの料率が高すぎると考える人もいるかもしれません。

しかし著作権者と直接交渉ということになれば、場合によっては、JASRACが定めた料率よりも高くなるかもしれません。

 

JASRACは楽曲の利用を断ることができない

JASRAC等に代表される管理事業者団体に対する法律には、管理する著作物等の利用の許諾を断ってはならないことが規定されています(著作権等管理事業法第16条)。

これは管理事業者団体が管理する著作物なら、必ず利用できることを意味します。

 

管理事業者団体が管理していない著作物を利用する場合は事前に権利者の了解を得ることが原則です。

この場合、権利者が著作物の利用を了解するかどうかは自由です。

 

さらに著作物の利用料についても問題があります。

著作権者と利用者との間の力関係で利用料が決まるので、人気があって利用したい人が多い著作物の場合は当然に利用料も高くなります。

 

このように管理事業者団体が管理しない著作物の利用は、権利者との直接交渉が必要なこと、交渉しても必ず利用できるとは限らないこと、著作権者と利用者との力関係で利用料が決まること、であり、著作物を簡単に利用することはできません。

 

JASRAC等の管理事業者団体が管理する著作物の利用は、利用したい場合は必ず利用でき、しかも人気の有無に関わらず統一の利用料です。

交渉というものは必要なく、単に予め定められた利用料を払いさえすれば、誰でも自由に利用できます。