静岡弁理士 田中智雄の知財ノート | 田中特許事務所

アイデア・デザイン・ブランドのこと

品質で差別化できなければ最後はブランドイメージしか残らない

 模倣品がこれほどまでに氾濫した原因、

それは製造とブランドの分離です。

 

安い人件費を求めて自らの手で製造することを放棄し、

海外の委託工場で製造した製品に単に商標を付して売るというビジネスモデル。

 

商標は信用です。

これまで自らが長い時間をかけて築き上げてきた信用が化体した商標、

その商標を外部で製造した商品に付して売る、

それが、現在、これほどまでに偽物が氾濫していることの理由ではないでしょうか。

 

一昔前の偽物といえば、

それは品質に問題があり、

本物に比べて値段が安い、

ただそれだけのの粗悪品でした。

 

そんな偽物が市場に流通したとしても、

本物の優位性が揺らぐ、

そんなことはありませんでした。


そのような時代に偽物対策などは必要ありません。

偽物が本物を駆逐するというようなことは起こりません。

 

現在の偽物といえば、

品質に問題がない、

そればかりか、

本物に比べて値段が安いという良品です。

 

純粋に製品を比較すればどちらも同じです。

これは本物にとって脅威です。


特に海外の正規工場で過剰に製造されて横流しされたような製品、

本物と偽物の違いといえば、

それは適切に商標が付されているか否かの違いでしかありません。

品質において本物と偽物とにおいて差異はありません。

 

商標以外に差異がない、

それにもかかわらず、

商標の有無だけで高価格を設定している、

それが本物ということになります。

 

高品質低価格の偽物に駆逐されてしまう、

そんな恐れからモグラたたきのような偽物対策を行わざるをえません。

 

商標の機能の一つである品質保証、
偽物と品質において差異がない製品に商標を付しても、

形式的に本物を装っているだけに過ぎません。

 

商標を付すことで品質を保証し偽物と区別する、

そのような商標の本質的な機能を発揮するには至っていません。

 

偽物と差別化を図るための付加価値が何かを真剣に考えない限り、

偽物が本物を駆逐すること、

これはもはや時間の問題です。

 

品質において偽物と差別化することが限界に達している現在、

品質以外の何かで偽物と差別化するとれば、

それはブランドイメージです。

 

技術やデザイン、そして品質は模倣できます。

しかしブランドイメージまでは模倣できません。